理想の住まい研究所

vol.2 ずっと素敵なデザインの住まいをつくる方法

「素敵な家を建てたい」。住まいを建てようとする人は誰もがそう思うのではないでしょうか。その際、つい流行のデザインを取り入れようとするかもしれませんが、年月とともに流行は変化するもの。10年、20年と経つにつれて古くさく感じることもあります。いつまでもカッコいいと思える、愛着を持てる住まいをつくるための、内外装デザインの選択に対する心構えや、ポイントを住宅ライターとして活躍する、椎名前太さんに教えていただきます。

椎名 前太(住宅ライター)

自宅(注文住宅)を建築した際に大満足したことから「多くの人にこの充実感を味わってほしい!」と住宅ライターに転身。これまで数多くの住宅関連書籍や雑誌の出版に携わる。自身のブログ「住宅ライター前太のこだわりハウスメーカー比較」は月間約15万ページビュー。

まずは定番デザインを
知ることが重要

はじめて家を建てる人に、いきなり「好みのデザインは?」と質問しても明確に答えられるケースはなかなかないものです。また、たとえ現在好きなデザインがあったとしても、今後長期間に渡って好みでいられるかは誰にも分からないでしょう。
しかし、誰にとっても飽きにくいデザインというものはあります。それは定番といわれるデザインで統一された建物です。
せっかく家を建てるなら自分らしいものがいい、と個性的なデザインにしたがる人もいますが、個性的なデザインは飽きやすいものです。好みは年月とともに変化します。たとえば、学生の頃の服の好みと現在の服の好みが全然違うという人は多いのではないでしょうか。住まいのデザインも思いきり個性的にしてしまうと、20年後に恥ずかしいと感じてしまうかもしれません。
また、あまりに個性的なデザインの家は、万一売却することになったときに、なかなか買主が見つからないものです。

定番デザインの一つシンプルモダン。モノトーンの配色と直線的なデザインが特長

シンプルモダン、
和風などの定番デザイン

住まいのデザインは多種多様。それこそ無限に存在します。
その中でも定番といわれるものを紹介しましょう。

シンプルモダン

シンプルとは飾り気がないこと。モダンとは現代的を意味します。つまりシンプルモダンな家とは、過剰な装飾を排した現代的なデザインの建物です。具体的には内外装ともに白・黒などのモノトーンで統一し、直線的な意匠が特徴です。シンプルゆえに飽きがこないといえるでしょう。派生形としてインテリアに木目を取り入れたナチュラルモダンなどがあります。

和風の家。瓦屋根、深めの軒、引き戸の玄関など、伝統的な様式を意匠に取り入れている

和風

和風は、お寺や神社などで私たちにもっとも馴染みがあるデザインではないでしょうか。たとえば奈良の法隆寺は築1400年を超えていますが、そのデザインを古臭くて飽きたという人は少ないでしょう。まさに定番デザインといえます。特徴としては瓦屋根、内外装の塗り壁、内装の柱を隠さずに見せる真壁造りなどがあります。
また、最近は一般的な柱を隠す工法の大壁造りでモダンなテイストを取り入れた和風モダンも人気です。

一つのデザインテイストで
統一することが基本

南欧風デザイン

フランス南東部やスペインといったヨーロッパの地中海沿岸地域の建築様式です。オレンジ色のテラコッタ瓦や職人が鉄をハンマーで叩いたり、延ばしたりして形成したロートアイアンの門扉、階段の手摺りなどが特徴。地中海の青い海と明るい太陽に映えるオレンジ色の屋根や白い塗り壁が開放的なイメージを演出します。

ニューイングランド様式

アメリカの植民地時代(17~18世紀)の代表的な建築様式。玄関先の広いポーチや板を横に張った壁(ラップサイディング)などが特徴。アメリカの田舎暮らしをイメージさせるデザインで、現在も非常に人気があります。ハリウッド映画などで見覚えがある人も多いのではないでしょうか。

「和」と「洋」を融合した、折衷デザインの内装。和の外観にもマッチする

このほかにも住まいには、定番といわれるデザインはたくさんあります。家を建てる際は、雑誌やインターネットで調べたり、建築依頼先へ相談したりしてできるだけ多くを知ってから選択すれば満足度の高い家づくりになるはずです。
その際に注意したいのが、一つのデザインテイストで内外装を統一することです。いくらハイセンスなものでも、組み合わせが悪いとちぐはぐな印象になります。どうしても二つのテイストを取り入れたければ前述の和風モダンといった折衷デザインもあります。
具体的には建築依頼先に相談すればいいでしょう。

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