注文住宅なら加入必須?住宅ローンの団体信用生命保険(団信)について
住宅ローンを利用する際、多くのケースで団体信用生命保険(団信)への加入が求められます。団体信用生命保険は生命保険の一種ですが、あまりご存じではない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、団体信用生命保険の特徴や加入時に注意したいポイントをご紹介します。
団体信用生命保険(団信)とは?
団体信用生命保険(団信)とは、「住宅ローン専用の生命保険」です。
住宅ローン返済中にローン契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合、残りのローンの返済を保険会社が肩代わりします。一家の大黒柱に万が一のことが起こっても、団信に加入していれば残された家族は返済に困ることがありません。
団体信用生命保険(団信)の種類
団体信用生命保険にはさまざまな種類があります。運営組織と補償内容に着目し、それぞれの特徴をご案内します。
運営組織による区分
まず、団信の運営組織別に特徴を見てみましょう。
機構団体信用生命保険(機構団信)
機構団体信用生命保険とは、独立行政法人「住宅金融支援機構」が提供する団信です。全国の金融機関と提携していて、「フラット35」の加入者が任意で加入することができます。
一般金融機関の団体信用生命保険
一般の金融機関(銀行など)が提供する団信です。ローンの支払いとは別に、ほとんどのケースで保険料の支払いが必要になります。民間の金融機関で住宅ローンを借り入れる場合に、任意ではなくセットで加入することになります。
信用保証協会団体信用生命保険(保証協会団信)
信用保証協会団体信用生命保険は、一般社団法人全国信用保証協会連合会が提供する団信です。機構団体信用生命保険と同じく任意加入ですが、ローンとは別に保険料の支払いが必要で、加入者の年齢に関係なく一律年払い(掛け捨て)が一般的です。
中央労働金庫団体信用保険(ろうきん団信)
中央労働金庫団体信用保険とは、中央労働銀行が提供する団信のことをいいます。中央労働銀行の住宅ローンとセットになっており、強制加入となります。なお、保険料は住宅ローン返済の金利に含まれていますので、金利に団信分がプラスされることはありません。
補償内容による区分
団体信用生命保険の補償内容にも違いがあります。
通常の団体信用生命保険
ローン契約者が、死亡または高度障害状態になった時点で住宅ローンの残債がある場合、ローンは完済したものとして扱われます。
三大疾病特約付団体信用生命保険
死亡または高度障害状態になった場合に加え、三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)で所定の状態になった場合も完済扱いになります。住宅ローン金利に保険料が上乗せされる形式が一般的です。
八大疾病特約付団体信用生命保険
三大疾病に加えて、五疾患(糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性すい炎・慢性腎臓病)で所定の状態になった場合に補償される保険です。
※補償内容の「所定の状態」がどのような状態を指すのかは、それぞれの金融機関が定めています。保険会社や商品によって条件が異なりますので、加入前に必ず確認しましょう。
注意したいポイント
団体信用生命保険に加入する際、どのような点に注意すべきでしょうか。また、加入後に気をつけるべきポイントも合わせご紹介します。
保険の契約内容を把握できているか
団体信用生命保険の契約内容は、加入前に必ず確認し把握しておきましょう。万が一、病気やケガで長期入院した場合、加入している団信でカバーされていないと保険金が支払われず、住宅ローンの返済が厳しくなる恐れがあります。
団体信用生命保険の内容を確認の上、もし必要なら他の保険でカバーすることも検討してみてください。
保障内容が重複した生命保険に入っていないか
団信と補償内容が重複する生命保険に加入していないかも要確認です。もし重複していると、無駄な保険料を支払うことになってしまうからです。例えば、住居費が給付される生命保険に加入していないかなどを確認しましょう。
団信に審査落ちすると住宅ローンを組めない可能性も
ほとんどの住宅ローンは、団体信用生命保険への加入を条件に融資されます。団信の審査に落ちると住宅ローンを組めなくなる可能性が高くなります。
もし団信の審査に落ちてしまった場合は、団体信用生命保険への加入が強制ではない、「フラット35」への切り替えを検討しましょう。
契約者に万が一のことがあったときは早急に連絡を
住宅ローン契約者が死亡または高度障害など所定の状態になった場合は、早急に団信側に連絡しましょう。住宅ローンの返済が滞ると支払利息の一部が支払われなかったり、不足分を補ったりする必要があるからです。
万が一に備え、住宅ローンを契約した金融機関、団体信用生命保険の連絡先・必要書類はすぐ取り出せる場所に保管しておくことをおすすめします。
おわりに
団体信用生命保険(団信)の種類や特徴をご紹介しました。何らかの事情で住宅ローンの返済が困難になった場合、団信が家族の助けになります。団信にはいろいろな種類があるため、自分のライフプランに合ったものを見つけてください。また、既に生命保険などに加入している場合は契約内容を確認し、無駄のない保険選びをしましょう。

スマチエ編集部

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