2021.10.12家づくり

高気密・高断熱の家をつくるには?快適な家づくりのポイント

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高気密・高断熱の家

現在、工務店やハウスメーカーの広告で非常によく見かけるキーワードの1つに、「高気密・高断熱」があります。

この記事では、高気密・高断熱の家の特徴とメリット・デメリット、家づくりにおける具体的なポイントをご紹介します。

高気密・高断熱の家とは?

高気密の家は「隙間の少ない家」

気密とは、空気が出入りしないように密閉された状態を指します。空気の出入りが少なければ高気密、出入りが多ければ低気密と呼ばれます。気密性が低い家は、壁や天井など建材の結合部に隙間があり、空気の出入りが発生しています。外気が室内に入り込んでしまうため、決して快適な環境とは言えません。

一方、高気密な家は、隙間ができにくいよう精巧に加工された建材を正確に組み合わせ、気密シートやテープなどで外気の出入りを抑える施工を施しているため、快適な環境を保つことができます。このように室外と室内の空気移動を少なくするために隙間を減らした家を高気密住宅と呼びます。

高断熱の家は「涼しさ・暖かさが逃げない家」

隙間の少ない高気密の家でも、断熱性能が低いと快適な室内環境を保つことができません。なぜなら、熱は高い方から低い方に流れる性質があるため、壁や天井、床など、住宅を囲むあらゆる箇所から熱が逃げたり入ったりするからです。そこで外部からの熱の侵入を遮断し、内部の熱の流出を防ぐ断熱性能が求められるのです。高断熱の家は、壁に断熱材を入れて室内の涼しさや暖かさが壁から逃げない施工を施した住宅です。特に熱の出入りが激しい窓にも断熱性の高い製品を採用し、住宅全体の断熱性能を向上させた快適に暮らせる家と言えるでしょう。

空気の移動を防ぐ気密性能と熱の移動を防ぐ断熱性能は、どちらか一方が高くても快適な家づくりはできません。どんなに高性能の断熱材を使用しても気密性が低ければ外気温の影響を受けやすく、どんなに気密性を高めても断熱性が低ければ、壁や窓から熱が逃げていってしまうので、気密と断熱は必ずセットで考える必要があります。

高気密・高断熱の家のメリット

高気密・高断熱の家のメリット高気密・高断熱の家を建てることで得られる具体的なメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

季節を問わず快適に過ごせる

室温の変化が少ないのが特徴的な高気密・高断熱住宅。冷暖房効率が良くなり、室内の涼しさや暖かさを保ちやすいため、夏涼しく冬暖かい家を実現することができます。

光熱費の削減など省エネ効果が期待できる

高気密・高断熱住宅は、空気や熱の移動が少なく冷暖房効率が良いので、少ない電力で快適な室温を保つことができます。結果として光熱費の削減につながり、省エネ効果が期待できます。

寒い時期のヒートショック対策にも

急激な温度変化により、心臓や血管に負担がかかることで起きる「ヒートショック」。高気密・高断熱住宅では、住宅全体の温度差も少なくなるため、寒い時期に起こりやすい「ヒートショック」のリスクが軽減されます。

高気密・高断熱の家のデメリット

利点の多い高気密・高断熱の家ですが、デメリットもあります。デメリットも把握し、メリットをさらに生かした快適な家づくりの参考にしてください。

費用がかかる

住宅を高気密・高断熱化するためには、断熱材や気密テープ、遮熱性の高い窓ガラスなど相応の資材を追加しなければならないため、その分の費用がかかります。また精度の高い施工が求められるため、施工費などの建設コストが追加でかかる場合もあります。

換気対策が必須

気密性の高い住宅は外気を遮断できる反面、室内の二酸化炭素や建材・部材に含まれる化学物質、ハウスダストなど、健康被害を起こす可能性がある物質も室内に留まりやすくなります。健康的な室内環境を保つためには、適切な換気対策が必要になります。

暖房器具の制限

高気密の住宅では、一酸化炭素を発生させる石油を使用した開放型の暖房器具は使用を控えた方が良いでしょう。もし使用する際には、窓を開けるなど定期的な換気を行う必要があり、高気密・高断熱の意味が無くなってしまいます。

内部結露のおそれがある

高気密・高断熱の家は、外壁と内壁の間に結露が発生する「内部結露」を起こす可能性があります。内部結露は、屋内の暖気が壁に設けられた断熱材の隙間に入ることで発生する現象です。内部結露を放置すると、家の柱や基礎の腐食を招くリスクもあるとされています。

家づくりに高気密・高断熱を取り入れるポイント

家づくりに高気密・高断熱を取り入れるポイントここでは、高気密・高断熱の家づくりで押さえたいポイントをご紹介します。

性能の良い断熱材選び

高気密・高断熱の家をつくるにあたり、断熱性能の面で大きな役割を持っている建材が断熱材です。住宅用の断熱材は、素材によって2種類に分けられます。

・繊維系断熱材
繊維系断熱材は、細かい繊維の間に空気を閉じ込めることによって機能する断熱材です。中でもガラス繊維を原料とする、綿のような形状の断熱材がグラスウールです。安全性が高く長持ちし、燃えにくい点がメリットで、費用が安く済むので、もっとも普及している断熱材としても知られています。デメリットとしては、水にあまり強くない点が挙げられます。対策として袋詰めのグラスウールを使用する、防湿シートを貼るなどの施工が必要になります。

・発泡プラスチック系断熱材
発泡プラスチック系断熱材は、プラスチック素材の中に無数の細かい泡を閉じ込めた構造です。特に使用されることが多い現場発泡式のウレタンフォームは、現場で泡状のウレタンを吹き付けて充塡(じゅうてん)するため、一般的に吹付断熱と呼ばれます。気密性・断熱性能が高く水に強いメリットがあり、付加的な効果として防音性も若干高められる場合があります。

おもなデメリットには費用が高くなる点や、火に強くないことが挙げられます。また施工状況や施工技術次第で、性能にばらつきが出てしまう可能性もあります。

断熱工法

木造住宅の断熱工法には、大きく分けて内断熱(充填断熱)工法と外断熱(外張断熱)工法の2つがあります。内断熱工法は、柱などの構造材の間に断熱材を充填する方法で、外断熱工法は、構造材の外側に断熱材を張る方法です。どちらも断熱効果に優劣はなく、施工性やコストによって使い分けることができます。より高い断熱性能を求める場合、内断熱工法と外断熱工法を組み合わせて行う付加断熱工法、いわゆるW断熱工法という選択肢もあります。

断熱性能のある窓ガラス

建物を覆う建材の中で最も厚みが薄い窓。壁や屋根に比べて熱が出入りしやすいため、窓ガラスやサッシにも断熱性の高い製品を選び、総合的に家の断熱性を高める工夫をしましょう。

・断熱性能のあるサッシ
サッシに用いられる素材はアルミが一般的ですが、アルミは熱伝導性が高いため室温を逃がしやすいデメリットがあります。このため、最近では断熱性・気密性に優れた断熱サッシが用いられるようになりました。中でも樹脂製のサッシが特に熱を伝えにくいとされ、高い断熱効果を求める寒冷地で人気があります。

・Low-e複層ガラス
「エコガラス」という呼び名でも知られる、熱を吸収・反射する性質を備えた窓用ガラスです。表面にLow-E膜という特殊金属膜をコーティングした複層ガラスであるため「Low-e複層ガラス」という名称が付けられています。断熱性を向上させることのみならず、結露防止にも効果的とされています。

内部結露防止対策

デメリットの項目でもご紹介した通り、高気密・高断熱住宅は内部結露のリスクが指摘されています。断熱材の内側に防湿シートを張る方法や、外壁に通気層を設け壁内の湿気を排出する外壁通気工法などの方法で、内部結露対策を行いましょう。

24時間換気システム

住宅の気密化に伴い社会問題となったシックハウス症候群。このシックハウス症候群対策として、2003年の改正建築基準法より、住宅に24時間換気システムの設置が義務付けられました。24時間換気システムは、外気を導入する「換気」と、室内の空気を外へ逃がす「排気」を24時間行うことで、シックハウス症候群の原因となる物質濃度を下げる仕組みです。室内環境を健康的に保つためにも、計画的に換気を行う24時間換気システムの導入が必須とされているのです。

24時間換気システムには、換気扇などの機械で給気・排気を行う「第1種」、給気のみを機械で行う「第2種」、排気のみを機械で行う「第3種」の3種類があるので、適したものを選定しましょう。

高断熱は住宅省エネ基準の評価対象

政府の「エネルギー基本計画」では、「高断熱」「省エネ」「創エネ」により、エネルギー消費をゼロもしくはマイナスにできる住宅「ZEH住宅(ゼロエネルギーハウス)」の標準化をめざしています。標準化にあたり住宅を含む建築物には、国土交通省による「省エネ基準」が設けられており、建築時に基準を満たすことで補助金制度や税金の優遇制度を利用できます。つまり国が認める省エネ住宅として支援を受けることができるのです。

省エネ基準には、住宅を含むすべての建築物に適用される「一次エネルギー消費量基準」と、住宅のみに適用される「外皮基準」があります。外皮基準では、熱の出入りのしやすさや日差しの入りやすさなどが指標として設けられており、住宅省エネ基準の評価を受けるにも高断熱性が大きくかかわってきます。

レオハウスで快適な暮らしを実現

レオハウスで快適な暮らしを実現

photo by Leohouse

レオハウスでは、快適な暮らしとエコに配慮した高気密・高断熱住宅をご提供しています。高気密・高断熱住宅を実現する、高性能断熱材や防水・防湿・遮熱シート、窓ガラス、断熱サッシなどを標準設定し、更にハイグレードを求める方にも対応可能なW断熱工法、ZEH仕様もご用意。お客様のご要望に合わせた、総合的に気密・断熱性能の高い家づくりを実現します。

 

レオハウスHPはこちら
https://www.leohouse.jp/

まとめ

高気密・高断熱化で省エネ住宅を実現することで、快適性や経済性を向上させることにとどまらず、環境にもやさしい家づくりが可能です。お子さまやお孫さんの世代まで、長く気持ちよく健康的に暮らせる高気密・高断熱住宅の実現を、私たちレオハウスがお手伝いします。ぜひお気軽にご相談ください。

 

レオハウスへのご相談はこちら
https://www.leohouse.jp/form/contact/regist/

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スマチエ編集部

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