2019.03.14法律・制度

土地探しの基礎知識「建ぺい率(建蔽率)」「容積率」とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

土地探しの基礎知識

注文住宅を建てる土地を探す際、必ずチェックするポイントに「建ぺい率(建蔽率)」と「容積率」があります。今回は、建ぺい率と容積率について説明するとともに、土地にかかる法的規制についてもご紹介します。

建ぺい率(建蔽率)とは?

建ぺい率(建蔽率)とは?「建ぺい率(建蔽率)」とは、敷地面積に占める建築面積の割合のことをいいます。敷地面積は建物を建てる土地の広さ、建築面積は建物を真上から見たときの面積のことです。

建ぺい率が高すぎる家は防災や風通しなど住環境の面で望ましくないため、土地に対する建物の面積は法律で規制されています。

もちろん、注文住宅を建てる際も敷地面積に対する建築面積の割合が適切でなければならず、建ぺい率を確認した上で土地を決めることが必要です。

建ぺい率の計算方法

建ぺい率は、次の計算式で求めることができます。

建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100

例えば、200㎡の土地に70㎡の建築面積の住居を建てる場合、その建ぺい率は、35%になります。数字だけ見ると低いと思われるかもしれませんが、建ぺい率が高すぎると防災上、あるいは住まいの快適性を損ねる恐れがあります。ある程度ゆとりがあるくらいが、建物の建築にちょうど良いといわれます。

そのために建築基準法で、適切な建ぺい率の上限が設けられているのです。

建ぺい率の上限は地域によって異なります。なぜならば、地域ごとに都市計画があり、住宅地域や商業地域など用途地域別に建ぺい率の制限が設けられているからです(用途地域については、この後に説明します)。

「土地の広さに対し、家が思っていたより狭い」というケースを避けるためにも、土地探しをされる際は、建ぺい率もチェックすることをおすすめします。

建ぺい率を上乗せできるケース(防火地域・耐火建築物・角地など)

建ぺい率を考える場合、ケースによって緩和される場合があります。

まず、防火地域内に耐火建築で建てるケース。この場合は、元々の建ぺい率に10%が上乗せされます。ただし、同一敷地内に複数の建物がある場合、耐火建築でないものが含まれている場合には緩和されません。

もう一つは、角地に家を建てるケース。街区の角にある敷地、またはこれに準ずる敷地として、特定行政庁が指定している場合に緩和が受けられ、建ぺい率が10%上乗せされます。要件をクリアする必要があるため、角地すべてが当てはまるわけではない点に注意が必要です。

容積率とは?

容積率とは?容積率とは、敷地面積に対する建物の容積比率のことです。容積ですので建物の面積ではなく、立体的な大きさがポイントになります。

容積率も、建築基準法で制限が設けられています。

容積率の計算方法

容積率は、次の計算式で求めることができます。

容積率(%)=延べ床面積÷敷地面積×100

延べ床面積とは、それぞれの階のフロア面積を合計したものです。

例えば、一階面積が60㎡、二階の面積が30㎡で、敷地面積が120㎡の場合、容積率は75%になります。容積率は、その敷地で何階建ての建物を建てられるかの指標にも用いられます。

容積率は、下水や道路などのインフラを適切に管理する上で欠かせない基準です。下水や周辺の道路など限られたインフラを地域住民が共有するには、ゆるやかな形で人口を維持することが望まれます。もし階数の高い建物ばかりが増え人口も増加すると、インフラが不足して住環境を損ね、住みよい街とは程遠くなってしまうでしょう。

このように容積率には、人口を適切にコントロールする役割があるのです。

土地(敷地)にかかる法的な規制

土地(敷地)にかかる法的な規制建ぺい率・容積率の他にも、土地にかかる規制があります。

用途地域

用途地域とは、地域の特性に合わせて土地の用途を定める、都市計画法上の地域地区の一つです。

用途地域はまず「住居系」「商業系」「工業系」の三つに大別され、そこからさらに「第一種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」「第一種住居地域」「準住居地域」など12の地域に分けられます。「住宅地」「商業地」「工業地」と地域ごとに用途を定めることで、土地に合う環境を形成するための仕組みです。

同じ「住居系」の地域でも、どのような家が建てられるかが異なります。注文住宅を建てる土地を選ぶ際は、必ず用途地域も確認しましょう。

また、建ぺい率や容積率は、地域によって数値が異なります。地方自治体のホームページなどで調べてみてください。

用途地域 用途の内容 建ぺい率 容積率
住居系用途地域 第一種低層住居専用地域 低層住宅の専用地域 30・40・50・60 50%から200%の範囲内
第二種低層住居専用地域 低層住宅の専用地域

(小規模な店舗であれば立地が認められている)

第一種中高層住居専用地域 中高層住宅の専用地域 100%から500%の範囲内
第二種中高層住居専用地域 中高層住宅の専用地域

(必要な利便施設であれば立地が認められている)

第一種住居地域 住宅を主とした地域

(小規模な店舗や事務所の立地は認められている)

50・60・80 100%から500%の範囲内
第二種住居地域 住宅を主とした地域

(大規模な店舗・事務所の立地は一部制限)

準住居地域 一部事業施設と住宅が調和して立地する地域
商業系地域 近隣商業地域 近隣住民の利便性を図る地域

店舗、事務所など多用途の建築物の計画が可能

60・80
商業地域 店舗、事務所などの業務利便の増進を図る地域

多用途の建築物を計画可能

80 200%から1300%の範囲内
工業系地域 準工業地域 環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便の増進を図る地域

住宅や商店の建築も可能

50・60・80 100%から500%の範囲内
工業地域 工業の利便の増進を図る地域

どのような工場でも建築可能

50・60 100%から400%の範囲内
工業専用地域 工業の利便の増進を図るための専用地域 30・40・50・60

斜線制限

斜線制限とは、建物の各部分の高さにかかる制限で、通気性や採光性の確保を目的としたものです。

「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」の三種類があります。中でも特に注意したいのが「北側斜線制限」です。北側斜線制限は、新築の建物の北側にある既存の建物の生活環境(日照など)を確保することを目的としています。新築の建物にとっては設計時に注意が必要ですが、北側の建物から見れば北側斜線制限のおかげで南側に建物が新築されることになっても、日照が確保されるというメリットがあります。

容積率に算入されずに広く建てるには?

容積率に算入されずに広く建てるには?広い家を建てたい、と考えている場合は「容積率の制限の特例」や「容積率の緩和」に注目しましょう。ここでは、どうすれば容積率に算入されずに、広く家を建てられるのかを説明します。

吹き抜け

吹き抜け部分は二階の床がないため、延べ床面積には影響を与えません。吹き抜けを設置すると解放的な印象になるので、広く感じられる空間がつくれます。

ベランダ・バルコニー

ベランダやバルコニーは、壁や柱から突き出している部分が2m以下の場合ですと、延べ床面積に含まれません。ただし、壁や柱から突き出している部分が2mを超えている場合は、超えた部分が延べ床面積に含まれるので注意しましょう。

地下室

地下室を設ける場合には、「地階である」「地階の天井高が地盤面から1m以下」「住宅の用途に供されている」という三つの条件を満たした場合に、延べ床面積から一定の値が除外されます。除外されるのは、「建物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計3分の1が上限」と定められています。

ロフト

ロフトを設置する場合、高さが1.4m以下であれば延べ床面積に含まれないため、その分空間を広く使えます。天井が低くなるため用途が制限されるデメリットはあるものの、空間を活用するという点では有効な方法と言えるでしょう。

車庫・ガレージ(条件付)

屋根がついた車庫やガレージをつくる場合、「建物全体の5分の1」まで延べ床面積から除外される緩和措置があります。自転車置き場についても同様です。

柱や屋根のついていない駐車場の場合は建物と見なされないため、容積率に影響を与えません。

おわりに

土地選びでは価格や立地などを重視する一方で、建ぺい率や容積率などの制限にも目を配ることが大切です。いくら理想の土地をみつけても、規制の問題で建築の自由度が制限される可能性もあるため、注文住宅を建てる際は必ず確認しましょう。

家づくりに役立つガイドブックを無料でご提供

家づくりに役立つガイドブックを無料でご提供

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
The following two tabs change content below.
スマチエ編集部

スマチエ編集部

これから家を建てたり、購入を検討している方たちは、どんなことを思い、なにを重視しているのでしょうか。レオハウスがまとめた皆様の声や家づくり調査をご紹介します。